Prism のトラブルシューティングとサポート
Prism は、フロンティアモデルを基盤とする、AI ネイティブな共同作業用 LaTeX ワークスペースです。研究者がより速く思考し、執筆と推敲を重ねられるよう設計されています。組み込みの AI 機能により、科学研究のスピードと深さの両方が向上します。
このガイドでは、一般的な問題の解決方法と、追加のサポートを受ける方法を説明します。
Prism へのアクセス方法
Prism は prism.openai.com で利用できます。対象は、Free、Go、Plus、Pro のいずれかの ChatGPT アカウントを持ち、Business または Enterprise ワークスペースのメンバーではなく、過去にもメンバーだったことがないすべてのユーザーです。近い将来、Business、Enterprise、Edu にアクセスを拡大します。
1. Prism の組み込み AI 機能の活用
Prism には、OpenAI のフロンティアモデルを活用した、エディター組み込みのアシスタントがあります。ドキュメントの文脈を理解し、エディターを離れることなく、LaTeX の生成、エラーの診断、修正案の提示を行えます。ワークスペース下部のパネルから利用できます。
LaTeX スニペットの生成:「4×4 の表を作成して」や「キャプション付きの図を追加して」など、一般的な LaTeX 要素の作成を Prism に依頼できます。Prism はそのまま使える LaTeX を返し、「保持」と「元に戻す」の選択肢を表示するため、プロジェクトに直接挿入できます。
コンパイル問題の診断:ドキュメントをコンパイルできない場合は、パネルで問題を説明します(例:「ドキュメントをコンパイルできません」)。Prism は確認のための質問を行い、コマンドの欠落や未解決の参照など、考えられる原因を順に案内します。
エラーのインライン修正:エラーと警告は、エディターの余白に赤色または黄色のマーカーで表示されます。特定のエラーの修正を Prism に依頼すると、関連する行を分析し、問題を説明したうえで、的を絞った編集案を提示します。提案を直接適用して再コンパイルし、修正できたことを確認できます。
校正:セクションの校正を Prism に依頼すると、誤りや論理の抜けを指摘し、文章をより明確にするための改善案も提示します。論文レビューなどのスキルを活用し、編集面と事実関係についてフィードバックを得られます。
文献検索:見落としている可能性のある関連研究の提案を含め、論文に参考文献一覧を追加するよう依頼できます。
2. コンパイルエラーの診断
LaTeX ドキュメントをコンパイルできない場合は、次の手順をお試しください。
エラーマーカーを確認:Prism が問題を検出した箇所は、赤色または黄色のマーカーで示されます。マーカーをクリックして詳細を確認し、組み込みアシスタントでエラーを診断します。
コンパイルログを確認:コンパイルに失敗すると、PDF プレビューペインにコンパイルログが表示されます。後続のエラーは連鎖的に発生していることが多いため、最初のエラーメッセージ(例:\end{document} の欠落)に注目してください。このメッセージを Prism に共有すると、より的確な案内を受けられます。
直前の変更を元に戻す:最近の編集後にエラーが発生した場合は、その変更を元に戻すか、一時的にコメントアウトして、コンパイルが成功するか確認します。
最小限の例に絞り込む:問題が解消しない場合は、ドキュメントを必要不可欠な内容だけに簡略化します。無関係なセクションを削除すると、エラーの原因を特定しやすくなります。
3. 問題を防ぐためのベストプラクティス
ログイン状態を維持:変更内容が保存され、次回以降も利用できるよう、必ずログインした状態で作業してください。
対応パッケージを使用:Prism は、一般的に使用されている多くの LaTeX パッケージに対応しています。利用例が少ない、古い、またはメンテナンスされていないパッケージは、予期しないコンパイルエラーの原因になる場合があります。
段階的に編集:変更は小分けにし、こまめにコンパイルしてください。これにより、エラーの原因となった編集を特定しやすくなり、すぐに元の状態へ戻せます。
LaTeX プロジェクトの Prism への移行
このガイドでは、Overleaf またはローカルコンピューターにある既存の LaTeX プロジェクトを Prism に移行する方法を説明します。プロジェクトをインポートすると、すべてを一元管理でき、ファイルを手作業で作り直さずに作業を続けられます。
Overleaf からのプロジェクトのインポート
Overleaf から Prism にプロジェクトを移すには、まず Overleaf からプロジェクトファイルをダウンロードし、Prism にアップロードします。
単一プロジェクトのダウンロード
Overleaf のプロジェクトダッシュボードを開きます。
移行するプロジェクトを見つけます。
プロジェクト名と同じ行にあるダウンロードアイコンをクリックします。
Overleaf がプロジェクト全体を .zip ファイルとしてコンピューターにダウンロードします。

複数プロジェクトのダウンロード
Overleaf のプロジェクト一覧を開きます。
各行の先頭にあるチェックボックスを使ってプロジェクトを選択します。

すべて選択するには、一覧の最初のチェックボックスをクリックします。
選択後、プロジェクト一覧の右上にあるダウンロードアイコンをクリックします。

選択したプロジェクトが .zip ファイルとしてダウンロードされます。
Prism へのプロジェクトのインポート

Prism では、フォルダーのアップロード、.zip アーカイブのアップロード、またはドラッグ&ドロップによるすべてのプロジェクト画面へのファイル追加の 3 通りでプロジェクトをインポートできます。
インポートメニューからプロジェクトをインポートする方法:
Prism を開き、インポートに移動します。
インポートの横にあるシェブロンをクリックし、インポート形式を選択します。
次のいずれかを選択します。
Prism を開き、インポートオプションに移動します。
インポートの横にあるシェブロンをクリックし、インポート形式を選択します。
次のいずれかを選択します。
.zip ファイルをインポート:コンピューターにダウンロードしたプロジェクトアーカイブを選択します。Prism がプロジェクトを自動的に展開して読み込みます。
フォルダーをインポート:コンピューターからプロジェクトフォルダーを選択します。Prism が .tex ファイル、参考文献ファイル、画像、その他のプロジェクトリソースをインポートします。
ドラッグ&ドロップでインポートする方法:すべてのプロジェクト画面で、プロジェクトフォルダーまたは .zip ファイルを Prism にドラッグ&ドロップします。Prism が新しいプロジェクトを自動的に作成し、ファイルをインポートします。
アップロードが完了すると、Prism がプロジェクト全体を開き、編集とコンパイルを開始できます。
その他の FAQ
アカウント、セキュリティ、請求
Q:プライバシーポリシーはどこで確認できますか? A:Prism のプライバシーポリシーはこちらです。
Q:私のデータをモデルの学習に使用しますか? A:ユーザーは、当社モデルの改善に自身のデータを使用するかどうかを、当社のプライバシーポリシーに基づいて全面的に管理できます。
Q:「ゼロデータ保持」(ZDR)を使用していますか?ログの記録やデータ保持はどうなっていますか? A:Prism は現在、「ゼロデータ保持」(ZDR)の API オプションを使用していません。製品改善のため、リクエスト後も一定期間ログを保持します。
Q:テキストを保存せず、人による確認も行わないプライバシーモードや、EU 内限定のデータレジデンシーを提供していますか? A:いずれも要望をいただいている機能で、ロードマップまたはバックログに含まれていますが、現時点で確定した提供時期はありません。
共有と共同作業
Q:「リンクを知っている全員が編集可能」のリンクを共有できないのはなぜですか?(ドロップダウンでは「全員が閲覧可能」しか選べません) A:これは現在の仕様です。リンクを使用した「全員が編集可能」の共有にはまだ対応していません。編集者は、Prism アカウントを持つ共同編集者として追加する必要があります。
Q:共同編集者に招待メールが届きません。プロジェクトにアクセスするにはどうすればよいですか? A:迷惑メールフォルダーを確認し、招待されたメールアドレスでログインするよう依頼してください。初回ログイン後、共有プロジェクトが表示されます。
プロジェクトのインポートとエクスポート
Q:ZIP のアップロード/インポートが「プロジェクトをインポートしています」のまま進みません。どうすればよいですか?A:アップロードを再試行してください。再試行しても進まない場合は、インポート処理を調査できるよう、ZIP ファイルをサポートに共有してください。
Q:プロジェクトを ZIP 形式でエクスポート/ダウンロードするにはどうすればよいですか?A:プロジェクト名をクリックして「エクスポート」を選択すると、プロジェクトの圧縮コピーをダウンロードできます。エクスポートできるようになるまで、バックエンドとの接続確立に数秒かかる場合があります。
信頼性、障害、接続
Q:更新後にプロジェクトが消えました。失われたのでしょうか? A:もう一度更新してプロジェクト一覧を確認してください。データが再表示されるはずです。
Q:ページを更新したらプロジェクトが消えました。失われたのでしょうか? A:プロバイダー側の障害中に発生することがあります。再試行すると、プロジェクトが再表示されるはずです。表示されない場合は、サポートが復元をお手伝いします。
Q:サイトがオフラインのようです/アプリにバックエンドへ接続できないと表示されます。どうすればよいですか? A:再試行するか、ページを再読み込みしてください。問題が続く場合は、調査できるよう、表示されている内容の詳細と、可能であればプロジェクトのリンクをサポートにお送りください。
データの整合性、復元、バックアップ、バージョン履歴
Q:ドキュメントがフリーズした後、内容が消え、コメントのアンカーが移動しました。復元できますか? A:まず .zip バックアップをダウンロードしてください。Prism にはバージョン履歴もあり、以前のバージョンに復元できる場合があります。コメントのアンカー位置は復元できないことがあり、現在、コメントはバックアップにエクスポートされません。書式が変わった場合は、コードフォーマッターで修復してみてください。
Q:プロジェクトを開き直したら、ファイルや内容が以前の状態に戻ったり消えたりしました。何が起きたのですか? A:一時期、プロジェクトの保存に外部プロバイダーを利用していましたが、利用急増時に処理が追いつかないことがありました。接続エラーを減らして再発を防ぐため、保存先を内部システムへ移行し、追加の保護対策も導入しました。
Q:コメントの位置は復元できますか?また、コメントはプロジェクトのバックアップに含まれますか? A:事後にコメントの位置を復元できない場合があります。今後の障害から復旧できるよう、現在は定期的なバックアップ(例:約 10 分ごと)を作成していますが、コメントは現時点で ZIP バックアップにエクスポートされません。
連携
Zotero
Q:Zotero のグループライブラリを Prism にインポートできないのはなぜですか? A:Zotero のグループライブラリにはまだ対応していません。個人ライブラリは利用できますが、グループライブラリは現在サポート対象外です。
Q:Zotero 連携が停止しました(アカウントや API キーを変更した後など)。どうすれば修正できますか? A:以前のユーザーまたは匿名ユーザーとの連携を解除するため、Zotero のユーザー名ではなく数値 ID をサポートにお知らせください。解除後、アカウントに再連携できます。手順の例:https://www.youtube.com/watch?v=7vDiZ8o_eHk
Git
Q:Git(GitHub/GitLab)で Prism プロジェクトをクローンしたり、所属機関の Git プラットフォームと同期したりできますか?A:Git 連携はまだ利用できませんが、優先度の高い今後の開発プロジェクトです。
LaTeX のビルドとトラブルシューティング
Q:クリーンリビルド(Aux/toc/bbl の生成物を消去)を強制するにはどうすればよいですか? A:ページを再読み込みしてください。ページを更新すると、クリーンな状態で新たにビルドされます。
Q:同じ LaTeX が他の環境では動作するのに、Prism では図や画像を読み込めません。 A:インポートを行う .tex ファイルからの相対パスを使用してください。.tex ファイルがサブフォルダーにあり、画像がプロジェクトのルートにある場合は、パスの先頭に ../ を付けます。
Q:コンパイルが非常に遅いか、完了しません。原因を特定するにはどうすればよいですか? A:コンパイルが成功するまでセクションをコメントアウトし、さらにそのセクション内を細かく絞り込んで、問題の原因となる行を特定します。ログの警告とエラーも、先頭から確認してください。
Q:生成された .bbl に「Underfull/Overfull \hbox」という警告が表示されます。コンパイルエラーですか? A:いいえ。これは組版上の警告であり、致命的なコンパイルエラーではありません。PDF の出力に問題がなければ、通常は無視できます。
Q:Beamer で、frame 内の lstlisting/listings 環境にエラー(例:「Extra }, or forgotten \endgroup」)が発生するのはなぜですか? A:listing 環境を使用する場合は、Beamer の frame に [fragile] を指定してください。多くの場合、これでエラーが解消されます。
Q:.bib が存在し、参考文献コマンドも記述しているのに、\cite による引用が「[?]」と表示されます。動作する設定はありますか? 有効な回避策の一つは、メインドキュメントから参考文献が正しく読み込まれていることを確認することです。BibTeX 形式のワークフローでは、\bibliographystyle{plain} と \bibliography{refs} を記述します(refs.bib が対象ファイルの場合)。
製品 UI と機能リクエスト
Q:Prism にライトモードはありますか?A:はい。Prism では、システム、ライト、ダークの 3 種類の外観設定を利用できます。使いやすいテーマを選択できます。
